審査の結果、以下の作品が入賞となりましたので、ここに発表いたします。
受賞作品
最優秀賞
- 京都府 京都市立桃陽総合支援学校
優秀賞(応募順)
- 山口県 周防大島町教育委員会
- 千葉県 長南町立西小学校
- 愛知県 豊橋市立嵩山小学校
特別賞(応募順)
- 千葉県 長南町立西小学校(福島県 相馬市立八幡小学校と交流)
- 東京都 北区立飛鳥中学校
- 山口県 周防大島町立安下庄中学校
- 東京都 千代田区立神田一橋中学校
- 愛知県 岡崎市立六ツ美北部小学校
- 千葉県 柏市立大津ヶ丘第一小学校
- 静岡県 富士市立須津中学校
おめでとうございました。
審査委員会 総評
審査委員長
鳴門教育大学 村川 雅弘 教授
今回のコラボノート実践コンテストには、39の実践が応募された。昨年に比べて数は減っているものの、高いレベルでの実践が多く見られた。また、これまでに見られなかったような視点を持った特色ある取り組みも多かった。
今回賞をとった実践は、「単なる学校間だけの共有で終わらなかった実践である」という共通点がある。たとえば、最優秀賞の京都市立桃陽総合支援学校 「くいしんぼうあおむしの日記 ~動植物の観察を通して人間関係を築く~」の実践は、入院している子どもと学校間に加えて、入院している子ども同士の共有が行われている。これは、子どもと学校間の共有によって院外とつながる、言わば物理的な距離を縮めるだけでなく、同じ悩みを持つ子ども同士がつながれる、言わば心理的な距離を縮めたことの成果は大きい。他にもたとえば、優秀賞の千葉県長南町立西小学校 「鎌倉校外学習を通して」の取り組みは、先に修学旅行に行っている学校とまだ行っていない学校の交流である。あえて同じ立場で交流を行わないことで、複数回修学旅行に行ったかのような学びを子どもに与えることができたのではないかと考えられる。
昨年に比べ、ワープロソフトやプレゼンソフトの代わりに利用しただけのように見えるものが少なく、特色ある実践が多く見られた。最終的には、問題に対して真正面から向き合って解決に導いたであろう京都市立桃陽総合支援学校の実践事例を最優秀賞に選んだが、決して他の実践がそれに劣っているわけではない。特に、授業案上はもっとボリュームがあるにもかかわらず、コラボノートに関係の無い内容だからと削られてしまい、その実践の良さが見えにくくなってしまったものも感じられ、非常に残念であった。
年々レベルが高くなっており、今年賞を得た実践の大半は、他校との交流を実施したものであったことは否めない。しかし、学内であっても少し視点を変えれば素晴らしい実践になり、賞をとっていることも確かである。既存の教育方法のコラボノート化を目指すのではなく、子どもに対して何が良いのかに立ち戻って考え、そこにコラボノートの機能が生きたような実践が応募されてくることを来年も期待したい。